mamorino Watchは子供の健康に影響はないのか心配!携帯電話のSAR値から電磁波曝露を考える

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子供の人体には安全か?キッズウォッチ「mamorino Watch (マモリーノ ウォッチ)」を考えてみました。

今回KDDIが発表したキッズウォッチ「mamorino Watch (マモリーノ ウォッチ)」は、子供の手首に「腕時計型ケータイ」として装着したり、あるいはカバンやリュック、ランドセル等にキーホルダーのように取り付ける「ペンダント型ケータイ」として使うことができるようです。

この商品、子供を持つ親としてはとってもワクワクして嬉しい商品なのですが、一転だけ気になる点があります。それは携帯電話(キッズウォッチ)から出る電磁波です。

今回は子供が肌身離さず持っていることを想定している商品ですので、この携帯電話(キッズウォッチ)からの電磁曝露の影響がとても心配なんです。

気にされない方はいいと思うのですが、気になる方には気になってしまう事柄のはず。

私は、無線国家資格を持っている夫が読んでいたこの本「本当に怖い電磁波の話 (身を守るにはどうする?)」を勉強のために読んでみてから気になって色々調べてみました。

今回は、携帯からの電磁波とかの影響が気になるけど、具体的に何に気を付ければ多少は影響を受けないようになるのかがよくわからないって方のために、携帯電話の機種選定時にぜひ見ておきたい項目を解説してみたいと思います。

SAR(エスエイアール)とは何か!?

普段携帯電話を使用している人でも、「SAR(エスエイアール)」という単語はあまり聞いたことがないのではないでしょうか?

よく「電磁波には気を付けよう」といった話はテレビや雑誌などで目にしたことはあると思いますが、このSARは携帯電話から出る電磁波の基準値です。WHOや各国によって基準が決められており、この基準を守らなければ人体へ影響があるかもしれないので守りましょう、といった感じのものです。

読み: えすえいあーる 英語名: Specific Absorption Rate

SARとは、生体組織が一定時間、一定質量エネルギーを吸収した値のこと。比吸収率のこと。SARの数値により、人体がどれくらい電磁波のエネルギーを受けたのかを知る指標となっている。
1997年に総務省によって、人体に許容される電磁波の基準として、局所SARと全身平均SARの数値が定められた。局所SARとは、人体が電磁波にさらされることで、任意の10g当たりの組織に6分間に吸収されるエネルギー量の平均値のこと。キログラムあたりで何ワットの熱エネルギーを吸収するかで表され、W/kgで表記される。
2002年には側頭部で利用される携帯電話の局所SARが定められた。局所SARの許容値である2W/kgを満たすことが義務づけられている。2W/kgという値は世界保健機構など国際的な基準と同じものであり、人体に影響がない範囲のものとなっている。
携帯電話の各キャリア会社は自社のWebサイトにて、SAR各機種のSAR値を公表している。

引用元:SAR | 用語集 | KDDI株式会社

ちなみに人気のiphone6sはAppleのホームページにこう記されています。

高周波(RF)暴露情報iPhone 6s iPhoneは高周波(RF)曝露に適用される制限の検査に合格しています。

SAR (Specific Absorption Rate)とは、人体がRFエネルギーを吸収する比率のことです。SAR制限は、人体組織1g対象の平均限度を定める国では1.6W/Kg、人体組織10g対象の平均限度を定める国では2.0W/Kgです。検査では、iPhone高周波は最大伝送レベルに設定され、頭部に密着した使用、人体近く(5mm)をシミュレートした環境に配置されています。

RFエネルギーへの曝露を減らすために、ハンズフリーオプション(内蔵スピーカーフォン、付属のヘッドフォン、その他の類似したアクセサリなど)を使用してください。iPhoneを持ち運ぶときは、曝露レベルが検査時レベル以下になるように、人体から5mm以上離してください。ケースに金属部品がある場合は、検査または認定されていない方法で、デバイスのRFパフォーマンス(RF曝露ガイドラインへの準拠を含む)が変わる可能性があります。

引用元:高周波(RF)暴露情報iPhone 6s

この中で、注目すべきはこの一文です!

「iPhoneを持ち運ぶときは、曝露レベルが検査時レベル以下になるように、人体から5mm以上離してください。」

ええええ~~😱😱😱😱!!!!なんとご丁寧に、アイフォンを持ち運ぶ時は「人体から5mm以上離してください。」と書かれているではありませんか。

今回のキッズウォッチ「マモリーノ ウォッチ」は、もろに手首に密着いる携帯電話端末です。

ちなみに、手首に密着させて使用する場合は、頭部付近で使用する場合に比べて、曝露レベルは緩く設定されているようです。

これはアップルのアップルウォッチのSAR値説明からの引用情報によるものです。ちなみに、このアップルウォッチは今回のmamorino Watchのように携帯電話機能は付いていません。(BluetoothによるiPhoneとのペアリング機能はありますが、Bluetoothという省電力無線規格による短距離通信のみなので、電波出力はマモリーノ ウォッチに比べて全然小さいものとなると思います。)

頭部に対して使用される場合は人体組織10g対象の平均限度が2.0W/Kg、手首で使用される場合は人体組織10g対象の平均限度が4.0W/Kgです。

検査では、Apple Watchの高周波は最大伝送レベルに設定され、頭部の場合は10mm離しての使用、手首の場合は密着した使用をシミュレートした環境に配置されています。Apple Watchを顔の近くで使用する場合、10mm以上離して使用し、曝露レベルが検査時レベル以下になるようにしてください。

Apple Watch (42mm) RF Exposure Information

皆さんのお持ちの携帯電話のSARは?

なんだか難しそうで良くわからないって方も多いと思いますが、ここまで読んでもらってありがとうございます😎

多分ここまでこの記事を読んでくださった方は、ご自身がお使いの携帯電話やスマホのSARが気になってきたのではないでしょうか!?

そんな方のために、実際にお手持ちの携帯やスマホのSARを調べる方法を教えたいと思います!

まずは多くの方が持っている日本で大人気のアップル製品のSAR値はどのようにして見たかというとこんな感じです。

本家アメリカのAppleのHP(の一番下の方にあるリンクをたどっていきます。「Legal」⇒「RF Exposure」⇒「各iPhoneモデル名」をクリックし、最後に「日本語」をクリックすると各モデルのSAR値が”ひっそり”と公表されています。(日本のAppleのHPでは探してもよくわかりませんでした。。。)

ちなみに、このSAR値ですが、au(KDDI)だけでなく、DocomoやSoftBankも各社のHPから各モデル毎にこれまた”ひっそり”と公表されています。各社HPから「SAR」で検索するとヒットすると思います。

興味のある方は、ご自分のお持ちの携帯機種のSARを調べてみてはいかがでしょうか。結構探すのが大変だと思うのでリンクを張っておきます。

apple製品のSAR

au携帯のSAR

docomo携帯のSAR

ちなみにdocomoから出されている子供向けの「キッズケータイ」や「スマートフォン for ジュニア」のSARは、大人向けの機種と比較してもSAR値は同等かむしろ高い感じなので、特に子供向けだからといって人体への影響についてまでは考慮されていないように見受けられます😭

海外でのSAR表示

諸外国では、携帯電話の箱にSAR値を載せるように義務化されており、購入者もSAR値を機種選定時に重要視しているようです。この制度が始まった時には、SAR値が最も低い機種が爆発的に売れたとか。

例えばサンフランシスコでは小売店で携帯電話を陳列する際に、SAR値を表記しなければならないという条例が賛成多数で承認されています。

サンフランシスコ市内では、携帯電話機を売る際に電話機から放射される電磁波の量を消費者に明示することが小売店に義務づけられることとなった。全米で初の表示義務付けとなる。

San Francisco Passes Cellphone Radiation Law (New York Times)

まとめ

かなりの長文で難解な用語が多数ありましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました😆

SARがどのようなものか、携帯電話の機種を選ぶ際にSARにも気を付けた方が良いということがわかったのではないでしょうか!?

今回のキッズウォッチ「mamorino Watch (マモリーノ ウォッチ)」はとても便利な商品でありがたいのですが、ずっと身に着けるものですので子供の今後の健康にもなるべく影響がないような設計・開発を心がけたものであって欲しいというのが私の願いです。

まだマモリーノ ウォッチは販売前ということでSAR値が公表されていませんので、公表されたらまたチェックしてみたいと思います。


※2016/03/24追記

マモリーノウッチのSAR値が公表されました。国の基準が2.0W/kgなのに対し、側頭部および身体に装着した場合のSARの最大値は1.885W/kgとのこと!!

基準ぎりぎりではないですか!?

大人が使うスマホに比べても極端に高い数値です。やはり小型・軽量化にした分、電磁波曝露に対する優先度を下げざるを得なかったのかもしれませんね。細胞分裂が早い子供専用の商品だからこそ、こういった電磁波曝露による健康に懸念があるものに対しての配慮をした設計をして欲しいところです。コンセプトとしては素晴らしい商品だけに、今後の継続機種での対策に期待したいと思います。

mamorino Watch

国の技術基準および国際ガイドラインは電波防護の許容値を人体に吸収される電波の平均エネルギー量を表す比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)で定めており、携帯電話機に対するSARの許容値は2.0W/kgです。この携帯電話機の側頭部におけるSARの最大値は1.885W/kg(※2)、身体に装着した場合のSARの最大値は1.885W/kg(※2)です。個々の製品によってSARに多少の差異が生じることもありますが、いずれも許容値を満足しています。

以上 追記終わり


 

 

 

使う私たちユーザーが電磁波曝露を少しでも減らす自衛手段としてできることは、今回のマモリーノ ウォッチの使い方でいうと、「腕時計型ケータイ」としてではなく、カバンやリュック、ランドセル等につけて持たせる「ペンダント型ケータイ」として使う時間を長くすることだと思います。

同じ商品でも肌から少しだけ離す努力をすることで電磁波曝露を減らすことができるのです。

これからお子さんにマモリーノウォッチや携帯電話などを持たせる際の参考にしていただけたらと思います。もちろん読者さんご自身の携帯ライフにもお役立ていただける知識になったのなら嬉しいです。

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